AGA治療で欠かせないのが、内服薬ですよね。大きく分けて種類は二つあって、発毛を促す攻めの薬『ミノキシジル』と脱毛予防効果のある守りの薬『フィナステリド』。この二つの薬剤の副作用について解説していきます。
①ミノキシジル
ミノキシジルタブレット、通称「ミノタブ」は、強力な発毛効果のある薬剤です。しかし、元々は循環器系のお薬として使われていました。分類としては「降圧薬」に分類されます。文字通り、血圧を下げる薬です。血管拡張効果があるため、その分心臓に血流が多く行くようになり、負担がかかります。そのため、ミノタブの副作用には「胸痛」があります。説明すると長くなるので省きますが、心臓に負荷がかかって狭心症のような症状が出現します。これが出ると中々内服は継続しづらいので、まず治療を開始するときは少量から始めるか、クリニックで導入しましょう。
②フィナステリド
フィナステリド(商品名としてはフィナロイド、フィンペシアなど)は脱毛予防をしてくれる薬剤です。デュタリスト(商品名ザガーロなど)はこれを強化したものなのでデュタリストの副作用についても同様のものと解釈してください。
まず、1番深刻なものとして、『性欲の減退』が挙げられます。添付文書にはリビドー減退、勃起機能不全、射精障害などと記載されており、要するに男性機能の低下です。DHTを抑制するため、理論的にはテストステロンが増加するはずで、むしろ性機能亢進させそうなのですが、なぜか逆のことが起こります。
また、皮膚乾燥も認められます。5αリダクターゼは皮脂腺に存在するため、これをブロックしたら皮脂が減少するのはわかりやすいですよね。筆者は一時期、毎日風呂に入ってシャンプーしてるのに、フケが出まくってめっちゃくちゃ困った経験があります。
他にも書いたらキリはないので、この辺にしときます。
辞めても副作用が治まらない!?
『ポストフィナステリド症候群』というものがあります。これは、フィナステリドを内服中に起きた性機能不全が、内服中断しても継続するということです。これだけきくととても怖いですが、報告された論文にはやや恣意的なものが感じられます。また、フィナステリドを5年のんで性機能障害を発症する確率はフィナステリド内服群で11.9%、プラセボ(偽薬)群で11.7%、10年間でフィナステリド内服群で22.6%、プラセボ(偽薬)群で22.3%と有意差はなかったという論文もあります。これに関しては、正直なところわからないとしか言いようがありません。
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